【文化時報提供】東北福祉大学「名誉学長」騒動 第三者委の見立ては

曹洞宗宗門関係学校の東北福祉大学(仙台市青葉区)を運営する学校法人栴檀学園は、学長交代を機に名誉学長の授与をめぐる騒動が起きたとして、第三者委員会を設置して調査を進めている。第三者委員会は2月18日、中間報告を発表し、「適正な手続きを経ずに、名誉学長職の授与と任務に関する規定変更が行われた。前学長への名誉学長の称号授与は認められない」と結論付けた。一連の騒動の背景を検証する。

称号授与、一転して発令停止

東北福祉大学の大谷哲夫前学長は、駒澤大学学長や総長を歴任した後、大本山永平寺の同安居(修行の同期)だった釜田隆文氏が曹洞宗宗務総長を務めていた2015年12月1日、学長に就任した。

19年11月末の学長任期を迎える直前、鬼生田俊英宗務総長から「再任しない」旨の通達が本人にあった。その際、大谷前学長は「就任時には2期(8年)続けてやってほしいと言われた。退任するのであれば、せめて年度末の3月末まで務めさせてほしい。それまでに次期学長への引き継ぎ事項も整えたい」と申し出た。しかし、鬼生田宗務総長は許可しなかった。

これを受けて、退任までの間に、稟議書で「人事委員会で名誉学長の称号を授与し、その任務を内規で制定したい」との伺いが立てられた。内規を12月1日から施行するという案の通り、12月1日付で「大谷前学長の名誉学長就任」が広報された。

同じく12月1日付で、テレビ番組でも親しまれている千葉公慈氏が学長に就任。6日付で曹洞宗宗議会議員の髙橋英寛氏が理事長に就任した。13日には千葉学長名で、教職員に向け、「名誉学長の選考は表彰委員会に諮って決定することになっており、前学長が選考された事実は確認できなかった」として、名誉学長の発令をいったん停止すると報告した。

「勝手に決済印」の疑い

17日には、新体制で初の理事会が行われた。理事会後、大学総務部名で報道各社に宛てた文書では、この問題を次のように説明している。

「前執行部の任期満了直前に、勝手に決裁印を冒用し、稟議書を作成するなど、適正な稟議手続きを踏むことなく、退任役員のために新たな名誉職を創設し、職員人事を発令した疑いが判明した」

この日の理事会で・・・

 

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