★じつは身近な 仏教用語を3選ご紹介(た行)★
日常何気なく使っている言葉の多くは、実は仏様の教えに由来しています。
日常に溶け込み当たり前に使っている言葉の、元々の意味やどのような仏教語に由来しているのかを簡単に解説します。
言葉の本来の意味、用法を知って頂く事で、小難しく感じる仏教用語に親しみを持って頂き、仏教の魅力に触れて頂ければいいなと思います。
大丈夫
一般的には、きわめて丈夫であるさま。ひじょうにしっかりしているさま。非常に気強いさま。を指して使われる事の多い言葉です。
元来は、身の丈(たけ)、学識人徳の備わった人や最勝者を、漢語で〈丈夫(じょうぶ)〉とほめ讃えました。後にシルクロードより仏教が伝来し、大の美称が付され〈大丈夫〉となり、仏の呼び方の1つとなりました。
仏には一般的に10種類の呼び方が存在します。
これを〈如来の十号(にょらいのじゅうごう)〉と言います。
そのうちの1つに〈調御丈夫(じょうごじょうぶ)〉とあり、「人を導くのに巧みな人」という意味の異名があります。
仏教語としての〈調御丈夫〉や〈大丈夫〉は、仏の尊称として用いられる言葉です。
どっこいしょ
山岳修行する行者が「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱えながら山を歩き、その掛け声が、時代を経て「どっこいしょ」という言葉に変化したと言われます。
六根の根は[s:indriya(インドリヤ)]の訳語です。
インドリヤには感覚機能や力という意味があります。
また、六根とは、眼根(視覚)、耳根(聴覚)、鼻根(嗅覚)、舌根(味覚)、身根(触覚)、意根(心)の六つの根の総称です。
仏教では器官そのものよりも、その働きを重視する見方があるので、働きの意味を含む「根」という訳語を用いたと思われます。
知事
現在では、県や府、都の行政の長を指す言葉です。
本来は寺院の雑事や庶務をつかさどる役職名であり、サンスクリット語[karma-dāna(カルマ・ダーナ)]の訳語です。古くインドの僧院における役名として存在していました。
知事は知院事の略であり、さまざまな別称があります。
サンスクリット語から読み解くと、karma(カルマ)は業と訳され、行いや行動を表します。そしてdāna(ダーナ)は布施や布施をする者を指します。
つまり、自分の行動や労力を布施する、広く人々の為に施す人を「知事」と呼ぶのだと理解出来ます。
現在の用例も、本来の意味に近い使い方であって欲しいものです。