第22回葬儀・法要コラム『納骨」

一般的には一周忌までに納骨を行う

 

 表題には一周忌までに納骨を行うと書きましたが、実際には納骨時期に関する法的な定めはなく、自宅で適切に保管するならば、例え何年にもわたって納骨していなくても法律上は問題ありません。

 また、宗教的にも納骨時期の決まりはありません。一般的に言われている四十九日などは目安なので、どうしても心の整理がつかないなどの理由がある場合は無理して納骨を行わずに、満足行くまで自宅で供養するのも一つの手です。

 ただ一般的には初七日から四十九日までのうち、いずれかを選べば良いとされています。お墓がない場合は、一周忌を目安にお墓を用意して納骨をします。遅くとも三回忌までには納骨をすますことが多いです。

 納骨をする場合は、仏式では、僧侶に依頼して「納骨式」を行います。納骨式はあまり大々的にはせず、近親者や親しい友人などを招いて行います。お墓を新しく建てる時には、納骨式の前に「入魂式」を行います。

 納骨を行う日程は、僧侶と相談して決めます。なお、納骨の際には、菩提寺の僧侶にお墓まで出向いてもらうことになりますので、法要の集中しやすい土日祝日に行う場合には、早めに僧侶に相談しておきましょう。

 

卒塔婆供養の依頼

 

 浄土真宗以外では、納骨式当日、施主や参列者が供養に卒塔婆を立てるしきたりがあります。前もって寺院に卒塔婆供養をしたい人の人数と氏名を伝えて依頼します。

 卒塔婆料は寺院により規定があるので確認し、まとめて奉書紙に包むか白封筒に入れて「御卒塔婆供養料」と表書きし、僧侶に渡します。

 納骨式の後は、僧侶と参列者を招き、自宅や寺などで会食の宴を設け、引き物を渡すのが一般的です。

 

「埋葬許可書」を忘れずに

 

 納骨式当日は遺骨、遺影、位牌とともに、「埋葬許可書」と認印を忘れずに持参しましょう。遺骨は故人の配偶者か、配偶者がいない場合は故人と最も血縁の深い人が運びます。遺族は喪服を着用します。

 納骨式では喪主または遺族の代表が遺骨を納骨堂に納めたら、卒塔婆を立て、墓前に祭壇を置きます。僧侶の読経のあと、一同が焼香して冥福を祈ります。

 式の後の会食の席では、施主は参列に対するお礼の挨拶を述べます。

 僧侶へのお礼は奉書紙に包み「御布施」と表書きします。僧侶が宴席を辞退する場合は「御善良」を、僧侶に寺院以外の墓地に来てもらった場合は「御車代」を包みます。

関連記事

  1. 第五十回コラム「仏教用語について part8」

  2. 【文化時報提供】社説 分断を乗り越えよ

  3. 第46回葬儀・法要コラム「労災で死亡した時の手続き方法」

  4. 第六十一回コラム「日本仏教の歴史 part11」

  5. ad300x250-2

    【お知らせ】第1回お寺の窓口会inオンライン(ZOOM)

  6. 第10回葬儀・法要コラム「医師から死亡診断書を受け取った際の対応」