【小池陽人提供】本当の幸せはすぐその足元に:【法話】小池陽人の随想録

今回のテーマは「本当の幸せはすぐその足元に:【法話】小池陽人の随想録」です。

ご覧くださいませ。

弘法大師様はおっしゃいました。

「夫れ仏法 遥かに非ず 心中にして即ち近し」 私は、このお言葉の「仏法」を「幸せ」に置き換えてもよいのではないかと思っています。

幸せというものは、遥か遠くにあるのではない。

自分の心の中、近くにあるのだと。

先日、ずっと行きたかった愛媛の砥部にあります坂村真民記念館に、念願かないまして行ってまいりました。

真民先生の三女である真美子さんとその夫であり記念館館長の西澤孝一さんが、丁寧にご案内くださいました。

真民先生は、仏教詩人とも呼ばれ、たくさんの仏教的な詩を残されています。

早くにお父様を亡くされ、貧しい中、お母さまが女手一つで育てられたといいます。

ご自身も所帯を持たれ、奥様と三人の娘様と、貧しい中で戦中戦後の動乱の中を懸命に過ごされました。

その様な生活の中で、真民先生は家族を詠った沢山の詩を残されています。

今回伺った展示会のテーマが、まさに「坂村真民と家族の詩」でした。

貧しい中で懸命に生きようとする家族の、切なく哀しい中にも、喜びと愛情あふれる日常の生活を詠った詩が沢山展示されていました。

その中でも特に心に残った詩をご紹介します。

飯台(はんだい) 何もかも生活のやり直しだ 引き揚げて五年目 やっと飯台を買った あしたの御飯はおいしいねと よろこんでねむった子供たちよ はや目をさまして 珍しそうに 楽しそうに ご飯もまだ出来ないのに 自分たちの座る場所を 母親にきいている わたしから左回りして 梨恵子 佐代子 妻 真美子の順である 温かいおつゆが匂っている おいしくつかった沢あん漬けがある 子供たちはもう箸をならべている ああ 飯台を一つ買ったことが こうも嬉しいのか  貧しいながらも 貧しいなりに育っていく子の 涙ぐましいまでいじらしいながめである 記念館には、この詩の飯台、実物が展示されていました。

飯台の小ささに驚きました。 とても五人分の食事が乗りきるとは思えないほどです。

質素な食事であったのだと想像しました。 この詩もそうですが、私が展示会を拝見して感じたことは、真民先生が、奥様や娘様に対して、尊敬の心を常に持っていらしたということです。

そして、家族の皆さんも真民先生のことを深く尊敬されていたことがうかがえます。

以前、三女の真美子さんが「確かに、今から考えればその当時の暮らしは、貧しかったかもしれない。 でも、その時には、自分が貧しいと感じたこと、考えたことは一度もない」とおっしゃっておられた、とお聞きしたことがあります。

今回の訪問で、きっとそれは、ご家族の皆さんに、目の前の、日常の幸せを感じとる心があったからではないか、と感じました。

そして、日常の中の幸せを感じる心、それは、お互いを尊敬しあい、感謝する中で育っていくのだと思いました。

 

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こちらの記事は、小池陽人様から許可を得て転載させていただいております。

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