「命尽きる前に思い出して、お念仏を唱えてくれれば、必ず往生できる」。浄土宗光明寺(兵庫県三木市)の住職、小泉慶典氏(53)は、そう言い切る。青年時代にバーテンダーやコピーライターを経験し、仏門へ。今では布教師として、自死遺族の支援にも取り組む。往生できるという確信はいつ、どのようなきっかけで生まれたのか。(大橋学修)
レールに乗ることへの抵抗感
父は先代の住職で、中学校の社会科教員と兼業していた。小泉氏は、少年の頃から聞き分けのいい子どもとして育ったが、進学先の同志社大学では2年を待たずして退学。「みんなが浮かれている状況になじむことができず、大学がつまらなく感じた」。時代はバブルの真っ盛りだった。
東京で絵描きとして活動していた友人宅に転がり込み、実家には事後報告。「二度と戻らない」と伝えた。「生き方を決められ、レールに乗って粛々と過ごすことが嫌だった」。文章を扱う仕事を夢見たが、生活のために、レストランのウエーターやバーテンダーなどの職を転々とした。
20歳を過ぎ、コピーライターの職を得た。スキルアップを目指して1年余りで転職したが、思うように仕事が進まず、プレッシャーに押しつぶされて退職。バーテンダーに戻った。
バックコーラスや作曲活動を行う女性と結婚。神奈川県藤沢市に引っ越した。折しもフリーランスのコピーライターとして仕事をもらい、さまざまな広告のコピーを6年間、綿々とつづり続けた。
僧侶養成講座で圧倒
僧侶となったきっかけは、結婚式。音信不通だった両親に出席を請うと、「僧侶の資格を取るなら、出席してもいい」と言われた。
それだけの理由で、佛教大学の仏教通信課程で学び・・・
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