【文化時報提供】外来・在宅に学べ 進む「ビハーラ僧」養成

医療機関や福祉施設で専門知識を持ってスタッフと協働し、心のケアを行う僧侶「ビハーラ僧」を養成しようと、浄土真宗本願寺派が試行する「ビハーラ僧養成研修会」の2期生4人が全ての研修を終え、修了証を受け取った。修了生らは今後、現場に入り、人々のいのちに寄り添う。

研修会は2017年度に開始。今期は昨年10月にスタートし、座学を中心とした16日間の前期基礎研修と、実際の施設で研鑽を積む54日間の後期臨床実習を行った。

後期臨床実習は、宗派が母体の独立型緩和ケア病棟「あそかビハーラ病院」(京都府城陽市)と特別養護老人ホーム「ビハーラ本願寺」(同)を中心に、寺院が母体の特別養護老人ホーム「常清の里」(大阪府茨木市)、緩和ケアを行う三菱京都病院(京都市西京区)、在宅医療などを行う沼口医院(岐阜県大垣市)で実施した。

修了式は2月27日に行われた。竹田空尊総務は、念仏者の生き方をわかりやすく説いた「私たちのちかい」に触れながら、「ビハーラ活動を必要とする人は、どこにでもいる。研修で学んだことを心にとどめ、力を発揮してほしい」とエールを送った。

東京教区観專寺の稲木義成さんは、「高齢の人も病気の人も未来の自分の姿。はじめは『支えなければ』と思っていたが、人として向き合うようになり、教わることばかりだった」と感想を語った。

石川教区本光寺の八幡真衣さんは「自身の死後に生まれるはずのお孫さんのエコー写真を片手に、『仏教を聞いても消えない欲がある。会いたい』と涙する患者さんに何も言えなかった。『一緒に泣いてくれてありがとう』と言われたことは忘れられない」と話した。

和歌山教区浄永寺の山本顕生さんは、龍谷大学大学院実践真宗学研究科の2年生。「実習時間の長さが特長」と、ビハーラ僧養成研修会の利点を挙げる。「在宅医療に関わる看護師さんが、『医療者が聞けない思いを受け取ってくれてありがとう』と、実習生の自分に声を掛けてくれたことが印象に残っている」と述べた。

和歌山教区教法寺の森薫さんは「自身の家族との接し方も変わった」と明かす。「『仏教のまなざし』をより意識しはじめた。中学生の長女の悩みを聞いても、頭ごなしに説かず『そういう見方もある』と考えるようになった。ビハーラ活動は生き方だと思う」と語った。

ビハーラ僧養成研修会アップ用

修了式に臨むビハーラ僧養成研修会の2期生たち

決めつけず、苦悩を聴く

4人は緩和ケア病棟での外来診療や、在宅医療の現場にも同席した。患者や家族から僧侶の存在感やケアをより必要とされる場面で、対応などを学んだ。

「何もしなければ半年。治療して1年と診断された」。2月4日に行われた三菱京都病院での臨床実習では・・・・

 

                             ⬇︎

                             ⬇︎

                             ⬇︎

                  続きの記事を読みたい場合はこちらから読むことができます。

                     文化時報 購読のご案内

1923(大正12)年に創刊しました。特定の宗教・宗派に偏ることなく、神社仏閣や教団関連の多彩な情報を発信しています。

かつては伝統教団や寺院住職向けの「業界紙」でした。

しかし現在は、宗教教団・宗教者が手掛ける学校教育や医療・福祉、関連業者の動向も掲載。宗教関係者の情報収集に役立つのはもちろん、宗教に関心のある専門職や、神社仏閣のファンにも読み応えのある紙面をお届けしています。

発行は毎週水曜日・土曜日の2回です。購読をご希望の方は下記のURLからお申し込みできます。

           https://bunkajiho.co.jp/subscription.html

こちらの記事は株式会社 文化時報社 様 から許可を得て転載させていただいております。

関連記事

  1. 【文化時報社提供】お寺で「まちの助産師」産前産後の居場所に

  2. ■本浄寺-浄土真宗 真宗大谷派(京都・東本願寺)

  3. 【文化時報社提供】命の教育、今こそ

  4. 【文化時報提供】「マスク着用徹底」を呼び掛ける白々しさ

  5. 【文化時報提供】点火せず香りともそう 若林、線香新ブランド

  6. 【文化時報社提供】五輪開催の覚悟を問う