第38回葬儀・法要コラム「国民年金・厚生年金の手続きについて」

受給中の故人の年金について

 

 国民年金や厚生年金を受けていた人が死亡した場合は、受給を停止する手続きを必ず行います。手続きをしないでいると、そのまま年金が支払われ、これを受け取り続けてしまうと、その後に死亡が分かった時点で全額を一括で返還しなければなりません。国民年金は死後14日以内、厚生年金は10日以内に手続きを行いましょう。

 手続きは、厚生年金保険の年金や国民年金の老齢基礎年金の場合は、年金事務所または年金相談センターで行います。それ以外の遺族基礎年金や障害基礎年金などを受けていた場合は、市区町村役所の国民年金担当窓口です。

 必要な書類は死亡診断書の写し、年金証書、年金受給者死亡届などとなっていますので、詳しくは窓口やHPなどで確認してください。

遺族が受け取る年金や一時金について

 

 公的年金制度では、20歳以上60歳未満の国民は、すべて国民年金に加入し、加入者(被保険者)は次の3つに分けられます。

・第一号被保険者  農林漁業・自営業・自由業者とその配偶者、学生など

・第二号被保険者  会社員・公務員などで国民年金と同時に、厚生年金や共済組合にも加入している

・第三号被保険者  第二号被保険者に扶養されている配偶者

 また年金加入者が死亡すると、遺族に一時金や遺族年金が支給されます。遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金のことです。

 遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。

 遺族年金を受け取るには、亡くなられた方の年金の納付状況・遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件が設けられています。

 そのため故人がどの年金に加入していたか、遺族が誰であるか、遺族の年齢などでもらえる金額が異なってきます。

見受給の年金がある場合

 

 年金給付の受給権者が死亡した場合に、その者に支給すべき年金であって、まだ支給されていないものは、請求に基づき一定範囲の遺族に支給されます。これを未支給年金といいます。

 例えば、老齢基礎年金の受給権者が1020日に死亡した場合、その者が最後に受け取る年金は、915日に支給される7月分と8月分とになります。年金は受給権者が死亡した月の分まで支給されるため、この場合であれば、9月分と10月分が未支給年金となります。

 未支給年金の請求権者の範囲は受給権者の死亡の当時、死亡した受給権者と生計を同じくしていた、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹でしたが、年金機能強化法に基づき、三親等内の親族に拡大されました。

 必要な書類は未支給年金・保険給付請求書のほかに、年金証書、年金を受けていた人と請求者が生計を共にしていたことがわかる書類です。届出先については、「受給中の故人の年金」で書いた場合と同様です。

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