第15回葬儀・法要コラム「お通夜の流れ」

通夜の受付

 

 僧侶には、通夜の始まる30分前には到着してもらえるよう、世話役が迎えに行き、到着したら控え室に案内して茶菓でもてなします。世話役代表は僧侶に祭壇の飾り方などを確認してもらい、説教や法話の有無についてや、通夜振る舞いを受けてくれるかどうかを確認します。

 通夜の弔問客の受付は、通夜開始30分前から始めます。喪主、遺族は身支度をととのえたら、通夜の始まる15分前には着席してもらい、僧侶が入場してくるのを待ちます。

 

僧侶の読経・喪主の挨拶

 

 通夜は参列者一同が着席した後、僧侶が入場し、読経、焼香、喪主の挨拶の順番で進行して行きます。読経が始まると、3040分行われ、参列者は故人の冥福を祈りながら、静かに読経を聞きます。

 読経が終わると僧侶が、まず焼香をします。つづいて喪主遺族近親者が席順に焼香し、その後に一般の弔問客が祭壇に進んで焼香をします。焼香は読経の途中から行うこともあります。いずれも僧侶から「ご焼香をどうぞ」という案内に従います。弔問客は、焼香の前後に遺族に対して黙礼しますが、遺族は座ったまま黙礼で答えます。会場が狭い時は、香炉を回して焼香する「回し焼香」を行うこともあります。

 読経の後で、僧侶が法話や説教することがあります。全員の焼香が終わると、僧侶が「通夜の法要を終わります」と告げ、退席し、通夜の式次第が終了します。

 僧侶が退席した後に参列者の焼香がすんだら、通夜ぶるまいに移る前に、弔問客に対して、喪主が挨拶をします。喪主による通夜での挨拶は、儀式をひと通り終えた時か、通夜振る舞いの前に行うのが一般的です。

 挨拶の内容は簡潔でかまいません。人前で話すことができるような状態ではない場合は無理せずに、できる範囲でかまいません。普段慣れないような言葉を使う必要はありませんので、ゆっくりと落ち着いて話しましょう。可能であれば、お礼の言葉も添えましょう。参列者の中には、一緒に故人との思い出を語りたいという人もいるはずです。故人との思い出話をするのも良いでしょう。

 控え室に戻った僧侶は茶菓でもてなします。その際に翌日の葬儀についての打ち合わせをしたら、通夜振る舞いの席に案内します。

 

通夜振る舞い

 

 そもそも通夜振る舞いとは、お通夜に参列してくれた弔問客を遺族が斎場の別室に案内して、弔問のお礼のためのおもてなしをする食事会のことです。通夜振る舞いは、遺族が弔問客とともに飲食しながら故人の思い出話をすることで、故人を偲ぶものです。一見すると、一般的な宴会のようですが、故人への供養の一環ですので、しめやかな雰囲気の中での行われる会となっています。かつては夜更けまでの酒宴になることもありましたが、最近は簡単に12時間程度で済ませることがほとんどです。

 通夜振る舞いは「お清め」の意味で日本酒やビールなどのお酒を用意しますが、弔問客に一通り行き渡る程度の量で構いません。

 通夜振る舞いの料理を葬儀社に手配してもらう場合は、弔問客の人数を予想して依頼しますが、予想人数の半分の量でいいでしょう。通夜振る舞いを行わないときは、弔問客にその旨を述べて、お詫びをします。

 通夜振る舞いの予定時間を過ぎたら、喪主か親族代表がお開きの挨拶をします。通夜がとどこおりなく済んだお礼を述べ、手短に挨拶を行います。

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