第三十一回コラム「仏教語について Part1」

普段何気なく使っている言葉に仏教語はたくさんあります。

 今回から仏教語についてみていきたいと思います。

 

 挨拶(あいさつ)

 「おはよう」「こんにちは」「おやすみなさい」など挨拶は毎日誰かとしますよね?この挨拶という言葉は、実は仏教語です。

 挨拶の挨は「押す」「近づく」といった意味で、拶は「せまる」という意味から挨拶は、前にあるものを押しのけて進むことを言います。

 禅家では師匠が弟子に声を掛けるなどし、その返答でもって修行の度合いをはかるといったことが行われてきました。これが挨拶なのです。そこから応答・返礼・儀礼などの言葉として使われるようになったと言われています。

 玄関(げんかん)

 家の入り口を玄関と言いますが、これも仏教語です。もともと「玄関」は「奥深い仏道への入り口」「悟りの道への関門」という仏教語でした。この仏教語が建物の名前となり、禅寺の客殿に入る入り口や、山門のことを「玄関」と呼ぶようになりました。

 現在のように、普通の家の入り口を玄関と呼ぶようになったのは、式台のある出入り口が一般の家屋にも取り入れられるようになった江戸時代以降のことです。

 

 冗談(じょうだん)

 日常生活で使われていて、人を笑わせたりするときに使われる「冗談」ですが、一般的にはふざけた話などの意味合いがあります。

 仏教では仏道修行に関係のない無用の談話のことを冗談と言います。冗は「不要」「無駄なこと」といった意味を持つので、無駄話と言う意味です。いつのまにか日常で使われるようになり、皆さんも普段から使われる言葉になっていきました。

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