今回のテーマは「最良の薬 それは人(ネガティブ・ケイパビリティ)」です。
ご覧くださいませ。
ネガティブ・ケイパビリティ最終回、
本日のテーマは日薬、目薬~人の病の最良の薬は人である~です。
日薬 [ひにちぐすりとも言います](時間が経過する事が薬の代わりになり体調や物事の状況が良い方向に向かうこと)という言葉をよく聞きます。
ネガティブ・ケイパビリティにおいてもこの「日薬」はとても大切な事です。何事もすぐには解決しません。
じっと耐え、何とかしているうちに、何とかなることもあります。
目薬は、点眼する眼薬ではありません。
「あなたの苦しみは、私が見ていますよ」これが目薬です。
人は、誰も見ていないところでは、苦しみに耐えられません。ちゃんと見守っている目があると耐えられるものです。 「人の病の最良の薬は人である」はセネガルの言い伝えであります。
人間の脳は、ポジティブにものごとを思考するようにできています。
あるアメリカのアンケートで、「あなたの運転技術は平均より上でしょうか」。という質問をしてみたところ、93%がイエスと答えたそうです。
平均以上、平均以下の人もいるので理論上50%ずつの結果がでそうなものですが、93%もの人が自分の運転技術は平均以上だと答えたということは人は物事をポジティブに捉えやすい傾向にあるという現れではないかと思います。
地球環境においても限界の状況に来ていますが、なかなか自分事として落としこめず、深刻化しない。
「大丈夫だろうと」どこかで思い込んでしまう気持ちが悪い方向にポジティブに働いてしまっているような気がします。 このポジティブな脳の働きを最大限に利用して、ネガティブ・ケイパビリティを発揮しているのが、伝統治療師、メディシンマン。祈祷師であります。
祈祷師はどんな治療をしているのかと帚木蓬生さんが見たてみたところ、占いや、病魔退治(病人の体にべとつくものをぬって、呪文を唱え、乾いたらはがす。)であったり、どうにも手の施しようのない病人を前に、家族や親族、友人を呼び、遠く高い山の頂に生息する植物に癒す効力があると言い、取りに行かせます。
こういう治療法を知って帚木蓬生さんは、なんて怪しい治療法なんだと失笑してしまうほどでしたが、ある専門家が「現代の精神科医は、薬の効き方には詳しいものの、患者の扱い方に関しては、メディシンマン以下である」と言っていたそうです。
先程のはなし、重要なのは、薬草そのものの効果ではありません。
家族や知人が危険を冒して長旅をして薬草をとってくるには、時間がかかります。
病人は希望をもって、何日も待ち続けます。期待が大きければ、効いた気がして、一過性に元気になる可能性もあります。うまくいけば、その間に病が峠をこして、自然治癒力によって快方にむかうかもしれません。
そして、仮に不幸な結果、治らず亡くなったとしても、病人が家族や友人、知人に感謝して亡くなることでしょう。
周囲のひとも、やるべきことはやったという思いで、悲嘆にくれながらも、悔いは少ないはずです。
これこそ、日薬と目薬なのです。
【毎月、須磨寺にて法話をさせて頂いております】
毎月18日の10時からの護摩祈祷と写経会、20日と21日は11時半から奥の院にて、そして、21日は14時から護摩祈祷をさせて頂き、法話をさせて頂いております。
【須磨寺オフィシャルサイト】 http://www.sumadera.or.jp
【須磨寺 不動護摩供のご紹介】 https://youtu.be/2VMi_8Q0E6g
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「須磨寺小池陽人の随想録」とは
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生きるための教えとして、お釈迦様やお大師様(弘法大師)が説いて下さった教えをお伝えしていきたいと思います。須磨寺は古くから「須磨のお大師さん」の名で親しまれ、この地域での弘法大師信仰の中心的な霊場でありました。毎月20日と21日に執り行われる、お大師様のご縁日でお話しをさせて頂きました法話をYoutubeでもご覧頂けるように致しました。
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※こちらの記事は、小池陽人様から許可を得て転載させていただいております。
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