遺言は自分の意志を伝えるための手段
遺産相続の方法は、遺言での相続、相続人全員による分割協議の相続、民法で決めれた相続人の範囲や相続分に従い、相続する法定相続などに分けることが出来ます。
民法で決定された相続人の順位や相続分の決まりについては、目安なので、とらわれすぎないようにしましょう。また、それぞれの相続人の家庭の事情や人間関係などの関係で、法律で決めれた相続分(法定相続)の分割が適しているとは言えないのです。
最近は、遺産相続のトラブルが増えているため、遺産の額が1000万円以下でもトラブルになることが多くなりました。遺言とは、自分の財産をどういったスタイルで相続させたいのか、最終的な意思を伝える手段です。また、遺言は法律上では遺言という言い方をします。
遺産相続は、遺言による相続は法定相続を優先するという大原則が決められています。なので、遺言が残っていて、その遺言が法的に有効であれば、相続は遺言通りに実行されます。遺言で被相続人(遺言者)の意見がはっきりとわかっていれば、相続を争うなどのトラブルを避けることに繋がったり、相続をスムーズに行うことが出来ます。
認知や相続権のない人に財産を譲る遺言を作っておけば、お世話になった内縁の妻や、亡き息子の嫁など本楽は相続権を持たない人へも財産を譲ることが可能です。遺言では、子供の認知などの血縁者の身分でも本人の最終意見を、はっきりとさせることが可能です。
遺言書は何歳から?
遺言は民法961条で定められており、「15歳に達した者は、遺言をすることができる。」と定められています。契約などを行う際に必要とされる通常の行為能力である20歳より年齢が下がっています。
遺言というのは、できるだけ遺言者の最終の意思を尊重しようという制度ですので、遺言の意味さえわかる年齢であれば、通常の行為能力(20歳)までは必要なく、15歳という年齢が定められています。(15歳などの年齢は財産などがないため死後の自分の希望を残すことが多いです。)
遺贈とは
遺贈とは遺言によって、無償で自分の財産を他人に与える処分行為のことをいいます。遺言によって財産を受け取る人のことを「受遺者」といいます。
相続が開始した後、遺贈を履行する義務を負う「遺贈義務者」は、原則として、相続人全員ですが、遺言執行者がいる場合には、遺言執行者になります。
被相続人は、遺言によって自分の相続人のうちの誰かに遺贈をすることもできますし、相続人以外の人に遺贈をすることもでき、法人も受遺者になることができます。
また遺贈には包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。
まず、包括遺贈とは相続財産の全部または一定割合を受遺者に与える行為をいいます。例をあげると、「Aに自分の有する財産の全部を包括して遺贈する」、「Bに自分の有する財産のうち3分の1を遺贈する」というような場合です。
次に特定遺贈とは、相続財産のうちの特定の財産を受遺者に与える行為をいいます。例をあげると「自分の財産のうち、自宅不動産をAに遺贈する」というような場合のことをいいます。
また、特定遺贈の受遺者も、遺贈を放棄することができますが、包括遺贈と違い放棄するのに期限はありません。しかし、特定遺贈の受遺者が、遺贈を受けるのか放棄するのかがわからない場合は、遺贈義務者は相当の期間を定めて、その期間内に遺贈するかを決めるよう催告することができます。受遺者がその期間内に意思を表示しなければ、遺贈を承認したとみなされます。
二つの遺贈はどちらにもメリットとデメリットがあることがわかると思います。