【わたしの終活スタイル】母の日に想うこと

母の日の今日。
私の母は約10年前に他界してしまったので、母が好きだった花を自宅に供えて偲びたいと思います。
父ひとりが住む実家に帰るのも、今は自粛せざるをえないので。。。

思えば・・・
母の日に、母が喜んでくれるようなことは、正直言って、私はほとんどしてきませんでした(._.)
なんて親不孝な子供だったのだろう…と今はとても後悔しています。
親がいて当たり前だったあの頃は、何かにつけて色々言ってくる母がうざったくて、ちょっとしたことにもイライラして言い返したりして…ホント、しょっちゅうケンカしていました。

思ったことを、言葉を選ばずに言い合える母の存在が、どれだけ貴重で大切だったのかが分かったのは、母が倒れてからでした。

去年、ホームページ『わたしの終活スタイル』に載せましたが、改めてこちらでも母が倒れたあの日のことをアップしたいと思います。

当時ウェディングプランナーとしてバリバリに働いていた頃、その日は突然にやって来ました。
私が担当していた結婚式の開始が10:30。
新郎新婦の支度は8:00開始。
私の現場の入り時間は当然早いわけで、朝6:00には電車に乗っていました。

乗り換えの電車を待つホームで突然父からの電話。滅多に電話がかかってくることのない父からの早朝の電話です。
直感で「何かあった?」と思っちゃいます…。
通話のボタンを押した瞬間に、それは現実になりました。

「お母さんが倒れた。脳かもしれない。」

救急車のサイレンが鳴り響く車内から動揺を隠せない父の震える言葉と声のトーン。
「あ~う~…」と唸るような母の声。
多分、一生忘れることはないでしょう。
あの日から、「連絡せずとも親は普通に実家に居る」という概念が打ち消され、生活も一変しました。

脳梗塞。
しかも脳の真ん中、脳幹の梗塞で手術は不可能って…。

その担当の結婚式が無事お開きとなり、翌週~翌月の結婚式の打ち合わせを終え、母が運ばれた病院にようやく駆け付けられたのは父から連絡があった12時間後。
全身に管を繋がれ、昏睡している母を目にした時、体中の力が抜け、頭が真っ白になりました。
恐る恐る母に近づき、手を取って「お母さん、ごめん。。。」としか言えませんでした。

母が倒れる10日ほど前に「来週行くね~」とメールしたのに、結局友達との遊びを優先し、
母が倒れる前日に「ごめ~ん、また行ける日に連絡するね」と電話しようかなと思いつつ、翌日は担当の結婚式があるから早起きしなきゃ…と、結局電話することなく就寝。明日電話しよう…って思ってました。
だって・・・明日も、来週も、来月も、一年先も母はいつでも実家に居ると思っていたから。

明日死ぬかもしれない状況で昏睡している母を目の前に
「なんで、この前会いに行かなかったんだろう」
「どうして昨日電話しなかったんだろう」
と、自分を責めるしかできませんでした。

10年以上経った今でも、その後悔はずっと抱えたままです。

当時、私は30代で、母は60代前半。
現役で働き、しょっちゅう父やお友達と出掛けていた母が、突然こんな状態になるなんて考えてもみませんでした。

このまま死んじゃったらどうすればいい?と現実を受け入れられない私たち家族の思いを知ってか、母は動くことも話すこともできない状態で、3年近く生きてくれました。

日々病院に通い、母に一方的に話しかけ、顔や手を拭き、髪をとかし、時にはマッサージをしたりして、母が少しでも「気持ちいい」と感じてくれることをしましたが
「こういうこと、お母さんが元気な時にするべきだった」とやっぱり後悔するばかりで・・・。

これをきっかけに、私は介護の仕事に転職し、「突然こうなってしまった」という方々のお世話をさせていただきながら、
「こうなってしまう前に出来ることはしましょうよ」
「元気なうちに大事なことを話しましょうよ」
と世の中の色んな人にお伝えしていきたい…と思ったわけです。

私の友人にも、担当させていただいた結婚式の新郎新婦にも、介護の現場でも、「親を亡くした」人はたくさんいらっしゃいました。

こういう経験をしているのは私だけじゃない…とは思うけど、思い返すとやっぱり未だに辛くなるし、母が倒れた時にようやく気付いた自分を呪いたくなります。

子が親のためにできること。
縁起でもない話をすること。
“ もしも ” のことを話しておくこと。
やっぱり大事です。
後悔先に立たず・・・を体験したからこそ、親子の時間の必要性を伝えていきたいな~と思うんです。

これが介護の仕事を始めた理由。そして「終活」の必要性を伝えたいと思った私の原点。

脅すつもりも、怖がらせるつもりも、不安にさせるつもりも全くありませんが、
親孝行、したい時に親は無しって、本当なんですよ…(;_;)
この言葉、経験した者にとってはメチャメチャ突き刺さるし、本当に切ない気持ちになるんです。
倒れてしまう前にもっと会ったり話したり触れたりすればよかったな~っていう後悔も…。

母の日。
とても良い機会です(#^.^#)
コロナの影響もあって会いに行くのは難しい状況ではありますが、

日頃、親になかなか会えない人も、
そうそう感謝を伝えられない人も、
親子のコミュニケーションが取りづらい人も、
「ありがとう」が恥ずかしくて言えない人も、
母の日というこの機会に、声を聴き合うことだけでもしてみませんか?

親の今後の心配・不安や、
「うちはこうだったよ」というご体験は
お寺の窓口、または、わたしの終活スタイルにお聞かせください♪

終活スタイルプランナー&介護福祉士 鈴木治美
(Living Proof『わたしの終活スタイル』)

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