2024年 第二十一回コラム  仏教用語 

実は身近な仏教のことば・ことわざ

 

日常生活を送っているときに何げなく使っている言葉。

その中に実は仏教が由来の言葉がたくさんあるって知ってましたか?今回はその中からいくつかをご紹介させていただきます!

 

1.ありがとう

 

どんな人でも日常的に【ありがとう】ということばは使うと思います。実はこの言葉、仏教が由来だったんです!
感謝の気持ちを伝えるとき、お礼を言う際によく使うことばですが、「滅多めったにない事」、「有る事がまれである事」という言葉から、「有りがたい」、「有りがたし」と、使われていくようになりました。
このことから、私たちが日常で「当たり前」と思っている事、何気ない日々や日常が実は「有りがたい」「まれな事」なんだよ。それに感謝をする事が大切なんだよ。と、説かれています。

 

2.情けは人の為ならず

 

その人の為を思って親切をしたら、それはかえってその人の為にならないから良くない事だよ。って意味で覚えている人がかなり多いこのことわざ。ほんとうは真逆の意味に近いことわざって知っていましたか?
「誰に対しても親切にするべきだ。人にした親切は自分にめぐりめぐって戻ってきますよ。」
というポジティブな意味でのことわざなんです!
2つ意味として誤解するポイントがあり、1つ目は「情け」とは同情という意味ではなく、実は人間味のある心。他人をいたわる心。人情。思いやり。という意味だったんです。2つ目は「ならず」です。否定的・打消しの意味をもっているこの言葉ですが、打消しをしている場所が「ため」にならずではなく、「人のため」にならずと本来は解釈します。
すると、「情けは人のためにならない」から「情けは人のためではなく、自分のためにもなる」という解釈に繋がっていきます。
2つの意味を合わせると「他人をいたわる心は人の為ではなく、自分の為にもなる」と、解釈できます。つまり上記に書いてある本来の意味となるんですね!

 

3.弘法にも筆の誤り

 

よく使われることわざのひとつの「弘法にも筆の誤り」ですが、「弘法こうぼう」っていったい誰なんだろう?「弘法こうぼう」とは「弘法大師こうぼうたいし」のこと、「弘法大師こうぼうたいし」とは「空海くうかい」のこと。「空海くうかい」とは真言宗の開祖のお坊さんです。ちなみに本名は「佐伯真魚さえきまお」といいます。
知っている人の方が多いくらい有名なことわざですが、空海のような筆の達人であっても書き損じてしまうことはあるよ。「どんなに優れた人でも失敗することはある」という意味です。
場合によっては「弘法も筆の誤り」と記載されていることもありますがどちらも同じで正しいです。
同じ意味合いのことわざには「猿も木から落ちる」、「河童の川流れ」などがあります。
私も小さい頃はことわざの本を親に買ってもらい、同じ意味のことわざがなんでこんなにいっぱいあるんだろう?と疑問に思った事もありましたが、そのことわざの起源・ルーツを調べていくと様々な背景やエピソードがあり、面白いなあと子供ながらに感じていました。
余談ですが空海本人は自分のことを「弘法大師」と名乗ったことはないといわれています。理由としては、空海が亡くなったあとに功績や偉業を称えるために送られた「おくりな」が弘法大師といわれているからです。「おくりなとは、死後に送る称号のことで、身近なところでいえば、「戒名かいみょう」にあたります。
戒名かいみょう」、「法名ほうみょう」に関しては後日こちらブログで取り上げていこうと考えていますので、その際にも是非読んでいってください!

 

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