2024年 第八回コラム じつは身近な 仏教用語 PART6

★じつは身近な 仏教用語を3選ご紹介(は行)★

 

日常何気なく使っている言葉の多くは、実は仏様の教えに由来しています。
日常に溶け込み当たり前に使っている言葉の、元々の意味やどのような仏教語に由来しているのかを簡単に解説します。
言葉の本来の意味、用法を知って頂く事で、小難しく感じる仏教用語に親しみを持って頂き、仏教の魅力に触れて頂ければいいなと思います。

 

弁才天

 

多く信仰を集める弁天様は、元々は西北インドに実在した河川の名前[sarasvatī(サラスヴァティー)]に由来します。

川を神格化したサラスヴァティーは女神で、学芸を司り、今もヒンドゥー教で篤い信仰を集めます。本来は、音楽や学問、弁説の神でした。

 

無事

 

一般的には、取り立てて言うほどの変わった事がないことや危険・不幸・災いなどが起こらない状態を指します。

元々の意味は、依り所となる実体や物質[s:vastu(ヴァストゥ)]がないことを意味します。

一般的な安穏である事、やることがなく暇である事など、これらの意味は肯定・否定どちらの意味でも用いられますが、禅宗等では〈無事〉を一切の作為を離れた自然なあり方として尊ぶものとして受け入れられています。

これは〈無為自然〉を大切にする老荘思想の影響とみられます。

 

分別

 

一般に「分別がない」といえば、よく物事がわかっていない、通りをわきまえない、ことを指します。

さとりの智慧を指す「無分別、無分別智」の対義語であるから、凡夫の考えや思考のことを表します。

サンスクリット語[vikalpa(ヴィカルパ)]の訳語であり、ヴィカルパには妄想も別訳にある通り、正しくない推量的な判断、間違った判断を分別と言います。

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