第50回葬儀・法要コラム「自筆証書遺言の書き方」

一定の条件を満たすことが必要

 

 自筆証書遺言は、遺言者が自分で内容や日付を自筆し、署名捺印して作成します。決められた形式が整っていないと、法律的に無効となってしまいます。

 20191月からは、財産目録についてはパソコンでの作成が認められることになりましたが、それ以外の部分はすべて自分で書かなければならず、他人が代筆したりパソコンで作成したりすると、遺言書の内容すべてが無効となってしまいますので、作成には細心の注意が必要です。

 また遺言者の死後、遺言が発見されなかったり、第三者の手によっての偽造・改ざんや紛失といった恐れがあります。死後は遺言の発見者や保管者が、家庭裁判所に提出して検認の手続きを受けなければなりません。

 

 

自筆証書遺言の作成ポイント

 

 自筆証書遺言の書き方について簡単にまとめると以下のようになります。

① 必ず自筆で書く

② 日付(作成年月日)、署名、押印(実印でなくても可)が必要

③ 加除訂正は方式にのっとって行う

④ 用紙については自由ですが、コピーしやすいA4サイズやB5サイズなどが適切

⑤ 筆記用具についてはボールペン・筆・サインペンなど何を選んでも構いませんが、改ざんされる恐れのある鉛筆はNG

⑥ 遺言書の内容は具体的に個条書きにする

⑦ 財産ははっきりと特定できるように書く必要がある

⑧ 用紙が複数枚になる場合は、契印(割り印)をする

 

 

自筆証書遺言のメリット・デメリット

 

 自筆証書遺言は気軽に作成できる反面、遺言の存在に気づかれないといったリスクがあります。その他、自筆証書遺言にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

 メリットとしては自筆証書遺言は、紙とペンがあれば誰にも内容を知られずに遺言書を作成することができます。公正証書遺言のように、公証人に手数料を支払う必要もありません。また、何回書き直しても費用がかからないので、後から遺言書の内容を変更したい場合であっても、気軽に新たな遺言書を作成することができます。

 デメリットとしては、方式や記載の仕方に不備があると、遺言自体が無効になってしまい、記載の仕方が正しくても内容が不明確であったり、解釈の仕方に違いがあったりすると、相続人の間で意見が分かれてしまい、相続をめぐる争いが発生する恐れもあります。また被相続人が遺言を残していることを知らないと、その内容を生かすことができないほか、家庭裁判所による検認が必要なことなどが考えられます。

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