第43回葬儀・法要コラム「医療費控除について」

医療費控除とは

 

 医療費控除は通常、税金を納めている本人とその扶養家族が、その年の11日から1231日までに支払った医療費をもとに計算される金額の控除を受けることができます。なお、未払いの医療費については、実際に支払った年の医療費として医療費控除の対象となります。

 また、給与所得者等で年末調整をしている場合など、確定申告書を提出する義務のない人の還付申告は、確定申告期間とは関係なく、対象となる医療費がある年の翌年11日から5年間の期間内に行うことができます。

 医療費控除の申告で控除される金額は、上限が200万円までとなっています。医療費控除額の計算をする際に注意したいのは、生命保険や健康保険などの保険金(入院給付金・高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など)を差し引いて計算しなければならないということです。そして所得合計金額にもよりますが、医療費として10万円以上の支払いがある場合に医療費控除の対象となります。

 

 

医療費控除の対象となる費用

 

1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)

2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)

(注) 平成2911日から令和31231日までの間に支払う特定一般用医薬品等の購入費は、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っているときに、通常の医療費控除との選択により、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の対象となります。

3 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価

4 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)

5 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価(この中には、家政婦さんに病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。)

6 助産師による分べんの介助の対価

7 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価

8 介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

9 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術又は分べんの介助を受けるために直接必要なもの

1医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの(ただし、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれません。)

2医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用

  (注1) 電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除き、タクシー代は控除の対象には含まれません。

  (注2) 自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金などは、控除の対象には含まれません。

3) 身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師等の診療等の費用に相当するものや上記(1)・(2)の費用に相当するもの

4傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。)

10 骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金

11 日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金

12 高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導(一定の積極的支援によるものに限ります。)のうち一定の基準に該当する者が支払う自己負担金(平成2041日から適用されます。)

参照:国税庁HP

 

 

準確定申告をする場合

 

 準確定申告をする際も、医療控除を受けることができます。対象となる期間は、所得税と同様、故人が死亡した年の11日から死亡した日までです。

 準確定申告での医療費控除を判断するポイントは、被相続人が実際に支払った医療費であるかという点です。被相続人が支払った医療費は対象となりますが、相続人が支払った医療費は対象外です。

 被相続人が死亡した後に相続人が支払った医療費は、たとえ相続財産から支払ったものであっても準確定申告の対象にはなりません。

ただし、その相続人が被相続人と同じ生計であった場合には、その医療費は相続人の医療費控除の対象となります。更にこの場合には、相続税計算における債務控除にも含めることができます。これに対して同じ生計でなかった場合には、相続人であっても医療費控除の対象外です。

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