第42回葬儀・法要コラム「所得税の確定申告について」

サラリーマンの場合

 

 サラリーマンなどの給与所得者の場合は、所得税は通常、給与から源泉徴収されています。死亡によって退職した場合は、勤務先でその年の給与にかかる所得税を計算し、年末調整するのが一般的です。年末調整されていない場合は、相続人が準確定申告をして、源泉徴収税額の還付を受けます。

 また、サラーリーマンでも以下の場合には準確定申告が必要です。

  1. 給与収入が2,000万円を超えた場合
  2. 給与所得、退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えた場合
  3. 2ヵ所以上から給与をもらっていた場合
  4. 公的年金等による収入が400万円を超えた場合
  5. 公的年金等による収入が400万円以下であっても、公的年金等による雑所得以外の所得金額が20万円を超えた場合
  6. 生命保険などの満期金や一時金を受け取っていた場合
  7. 土地や建物などを売却した場合
  8. 事業所得、不動産所得がある場合

 

 

個人事業主の場合

 

 個人事業主が所得を得ている仕事が源泉徴収の対象ではない場合、個人事業主は自分で所得税を納めますまずは、毎年11日から1231日までに得た所得額を計算し、216日から315日(315日が土日の場合は翌月曜日にずれる)までに所轄の税務署で確定申告を行いましょう。確定申告は税務署で行う以外にも、税務署への郵送やe-Taxを利用した電子申告で行うことができます。

 個人事業主が無くなった場合、相続人が故人のその年の11日から死亡日までの所得を計算し、申告しなければなりません。また、準確定申告と納税の期限は基本的に、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内」と定められています。相続税の申告期限(相続開始から10ヵ月以内)よりも期限がだいぶ早いので注意が必要です。また、被相続人が11日から315日までに死亡して、前年分の確定申告書をまだ提出していなかった場合には、前年分と本年分の2年分の準確定申告を行う必要があります。

 

申告方法について

 

 準確定申告は、相続人の住所地の管轄税務署ではなく、被相続人(納税者)の住所地を管轄する税務署に提出します。納税に関する相談に関しては、全国どの税務署でも可能ですが、申告書の提出先は、あくまで被相続人の住所地を管轄する税務署となりますので注意してください。

 準確定申告に必要な書類は確定申告と同様で、源泉徴収票や保険料等の支払証明書などを事前に用意します。支払証明書については、死亡した日までの支払い分が控除の対象となります。

 年金受給者の場合は、死亡届を提出した時点で年金の源泉徴収票が送られます。事業所得がある場合には、申告の内容に応じて青色申告決算書や収支内訳書などの提出が必要となります。

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