【文化時報提供】子ども食堂 お寺が参入する理由

 私たちが週2回発行している宗教専門紙「文化時報」の中から、2020年1月18日号に掲載された記事を再構成して、お読みいただけるようにしました。肩書は掲載当時のものです。

真宗大谷派が2020年1月、京都市下京区の本山・東本願寺に子ども食堂を開設した。もともと子ども食堂は、地域住民らが子どもたちに無料または低額で食事を提供する取り組みで、全国3700カ所以上で行われている。なぜお寺が乗り出すのか。大谷派が実施してきた歴史をみると、地域貢献という一言では片付けられないさまざまな事情がうかがえる。

子どもの貧困だけではない

真宗大谷派と子ども食堂の関係は2015年にさかのぼる。

きっかけは、フリーアナウンサーの金子よしえさんが、子どもの貧困の解消や、家族が不在のため1人で食事をとる「孤食」を防ぎたいと願い、開設を思い立ったこと。母親の葬儀で縁のあった「真宗会館」(東京都練馬区)に場所の提供を求めた。寺院発のアイデアではなかったというわけだ。

真宗会館は快諾し、15年4月に「ねりまこども食堂」がスタート。これに触発されたのが、東京都世田谷区の存明寺(酒井義一住職)だった。

存明寺は、育児に携わる母親同士の情報交換などを目的とした子育てサロンを、12年10月に立ち上げていた。元保育士の酒井浩美坊守が、子どもが成長しても切れ目のない支援をしようと、子ども食堂に着目。夫妻で「ねりまこども食堂」を視察し、サロンの母親たちとも協力して、15年9月に「ぞんみょうじこども食堂」をオープンさせた。

参加者が増え過ぎたため開催日時を告知できなくなるほどの盛況ぶりになったという。

 

学年を超えた交流の場に

新潟県上越市の最賢寺は、市内初の子ども食堂を16年7月に始めた。境内にある樹齢300年以上の大イチョウにちなんで「いちょう食堂」と名付け、月1回行う。

同寺の金子光洋さんは「子ども食堂を通じてお寺に集い、学年を超えて遊んでもらえれば、学校生活もより深く充実したものになると考えた」と話す。遊び相手となる学生スタッフが通う上越教育大学や新潟県立看護大学では、子ども食堂サークルも立ち上がった。

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