第32回葬儀・法要コラム「お墓の改葬について」

お墓の引越しは手続きが必要

 

 「先祖代々のお墓を現在の住まいの近くに移したい」という人が年々増えています。お墓を移すということは、遺骨を墓所から墓所へ埋葬し直すことで、これを改葬と言います。改葬するには法律に沿った手続きが必要です。先祖代々のお墓を改葬する場合は、親族にも事前に説明し、了承を得ておくことも大事です。

 お墓を移すためには、まず新しい墓地を求めななければなりません。墓地選びには、予算(墓地使用料・管理料)や場所はもちろんのことですが、同じ宗教・宗派か、遺骨が全て入る大きさかなども十分に考慮する必要があります。自分の後を継ぐ人がいない場合は、英題供養墓に移すという方法も選択の一つです。

 新しい墓所を購入したら、墓所の管理者から「墓地使用許可書」あるいは「受け入れ証明書」を発行してもらいましょう。

 また、既存のお墓から遺骨を移動させるときには、お墓のある市区町村役所で改葬許可を得る必要があります。お墓の所在地の市区町村役所で「改葬許可申請書」を入手し、既存の墓所の管理者に署名、押印してもらいます。これが「埋葬証明書」になります。この「埋葬証明書」を新しい墓所の「墓地使用許可書」(受け入れ証明書)とともに市区町村役所に提出し、「改葬許可書」を発行してもらいます。申請書は、遺骨1体につき1通必要です。

 お墓が共同墓地にあったり、家の敷地内にある家墓、畑の一面にある野墓地の場合は、市区町村役所に連絡をして、それぞれ許可を取る方法を確認しましょう。

 既存のお墓が遠方にある場合、何度も行き来をするのが困難ならば、許可証の申請は代理人に依頼することも可能です。ただし、その場合は、申請者の直筆による委任状が必要となります。申請書は市区町村役所のホームページからダウンロードができる場合もありますので確認しましょう。

 

 新しいお墓への納骨

 

 改葬許可証を入手したら、現在の墓地の管理者に提示し、石材店に依頼をして遺骨を取り出します。埋葬されていた遺骨は骨壷に入れて移動します。

 遺骨を取り出した後のお墓は、墓石を解体し、更地にしてから変換しなければなりません。解体と墓石の処理は業者に依頼して行うと良いでしょう。また事前に見積もりを取り、数社比較して決めることをお勧めします。

 新しいお墓が完成したら、墓地の管理者に改葬許可証と受け入れ証明書を提出し納骨をします。

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