遺骨を迎える準備
火葬後はすぐには墓地には埋葬せず、葬儀会場や自宅に戻って法要を行います。火葬場から帰ってきた人は、会場(自宅)に入る前に水と塩で身を清めます。
一同が戻ってきた、ら会場に残っている世話役や手伝いの人が一人一人の両手にひしゃくで水をかけ、タオルを差し出して拭いてもらいます。手洗いの清めが終わったら、胸・背中・足元に塩を軽く振りかけます。門前や玄関先に塩を帯状にまいておき、それを踏んでお浄めをする場合もありますので覚えておきましょう。また手洗いを省略して塩だけで行う場合もあります。
自宅の場合は、清めの水は桶に入れ、ひしゃく、タオルを添えて玄関に置きます。塩は小皿に盛り、お盆に載せて置きましょう。
清めとは死の穢れを家に持ち込まないという意味合いから行われます。死を穢れと考えない浄土真宗やキリスト教では行い場合もあります。
初七日法要
遺骨を迎えると「環骨法要」の儀式を行います。遺族・会葬者が後飾りの祭壇の前に集まり、僧侶に経をあげてもらい、全員が焼香して葬儀はすべて終了します。
最近は「環骨法要」の儀式と死亡した日も含めて「初七日」の法要を合わせて行うことがあります。
そもそも初七日とは、故人が極楽浄土へ向かえるよう、ご逝去当日から数えて七日目に行う法要の事を言います。本来はお亡くなりになられてから、七日目にあたる日に行われる法要なのですが、現在では「繰り上げ初七日法要」や「繰り込み初七日法要(式中初七日法要)」という形で葬儀当日に行うことが多くなってきました。
従来通りの日程で初七日を行う場合は、親族・友人などを招き、僧侶にお経をあげてもらった後、茶菓でもてなします。
精進落とし
精進落としは、僧侶や世話役など、葬儀でお世話になった人たちに感謝の気持ちでもてなすために、喪家側が設ける会食の席のことを言います。
精進落としとは、元来、精進期間(行ないを慎み、肉や酒を断ち、身を清める期間)が終了し(=精進明け)通常の生活や食事に戻ることを指します。したがって、たとえば精進潔斎が必要な神事や祭礼などが終わった後に、肉食や飲酒を再開することも精進落としといえますが、今日ではもっぱら初七日法要の後に振る舞われる食事やその席のことを指すようになっています。また初七日法要が環骨法要の後に行われた場合は、そのあとに行います。
精進落としの宴では、僧侶、世話役の人たちに上座に座ってもらい、友人・知人がそれぞれ席に着きます。喪主や遺族は末席に座り、一同が揃ったら、喪主は会食に入る前にお礼の挨拶を行います。また僧侶が精進落としの席を辞退した場合は、「御車代」と「お膳料」を渡します。「御車代」に関しましては僧侶が出席した場合にも渡します。