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『”社会保険に入るってどうなの?”という疑問について』

2017/06/02

「年金なんか貰えないんだから保険料を掛けるだけ損・・・?」 「国民年金と厚生年金のどちらがお得なのか?」 「お寺様の場合は・・・?」 「厚生年金には配偶者の保険料は支払わなくても良いというメリットが・・・」 「国民年金と厚生年金の一番の違いは(受け取れる)年金額です。」 興味津々のキーワードが満載!社会保険労務士 大神先生のトピックス 第4回目です。

『”社会保険に入るってどうなの?”という疑問について』 こんにちは。社会保険労務士の大神です。
今回は前回の社会保険のお話の続きとなります。
前回は、お寺様であっても宗教法人にしていらっしゃる場合は、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しなければならないというお話をいたしました。今回は、年金制度がどうなっているのかについてお話します。

 年金なんか貰えないんだから保険料を掛けるだけ損…とお考えの方は、世間一般に沢山おいでです。でも、実はこの話は年金制度が続く限りは嘘と言って良いと思います。
 日本の年金制度は、今必要な年金の額を今の保険料で集める…というシステムになっています(これを「賦課方式」と言います)。つまり、国が年金を支払う必要がある限りは、支払われるような制度となっているということです。ですから、制度が今のままである限りは、「年金が貰えなくなる」ということはあり得ません。「積立方式」の方が良いと仰る方もいますがこれは全くの間違いで、積立方式にすると収支によっては支払い原資が無くなって年金が貰えなくなる可能性があります。賦課方式の方が安全なのです。
もちろん年金支給に必要な額と言っても限度があって、保険料の額が上がりすぎないように調整する必要があります。このため、年金額が減ったり保険料が上がったりすることになります。もし今後日本国内に住む人が激減したら、集めた保険料の範囲内で年金の額を決めることになりますので、年金の額がとても少なくなる可能性はあります。しかし、私の個人的な考えでは、厚生労働省が言っているほど将来の高齢者を支える人口比率は減らないのではないかと思っています。

 国民年金と厚生年金のどちらがお得なのか?というと、どこかに勤務するのであれば断然厚生年金の方がお得です。これは、勤務する人(従業員)については、保険料負担が半額となり、残りの半額を雇う側(会社)が支払うためです。しかし、お寺様の場合はご住職様の保険料の半額をご住職様御自身がお支払いいただき、残り半額は宗教法人であるお寺様がお支払いいただくことになりますので、結局全額をお支払いいただくこととなります。そうなると、従業員として勤務するほどのメリットはないこととなります。
 しかし、厚生年金には配偶者の保険料は支払わなくても良いというメリットがあります。「第3号被保険者」と言われる制度ですが、厚生年金に加入している人の配偶者(多くの場合は奥様)が年収130万円未満であれば(所謂「扶養の範囲」)、保険料を掛けなくても国民年金に加入して保険料を支払っている扱いとなります。つまり、厚生年金に加入すれば二人分の保険料を支払う必要がなくなるということになります。この扶養家族の保険料を支払わなくても良いという制度は健康保険についても同様の制度があって、健康保険は配偶者だけでなくお子様やご両親も扶養家族にできますので、扶養家族の人数によっては、国民健康保険よりも保険料が安くなるケースがよくあります。実際に保険料が安くなるかどうかは、市役所などの窓口で御確認ください。
 そして、国民年金と厚生年金の一番の違いは年金額です。厚生年金の年金額は、国民年金(基礎年金)+厚生年金となりますので、当然に厚生年金の方が多いということになります。国民年金のみよりもは老後の生活が楽になるということですので、今手元にあるお金の使い方が変わるかもしれません。実際に年金額がどの程度になるのかは人によって違いますのでここでは書きませんが、一度、年金事務所や社会保険労務士に聞いてみても良いかもしれません。

保険料が高くなるということで、社会保険に入ることを嫌がる方も多いですが、実はデメリットばかりではないということも知っていただければ幸いです。
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