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『お寺様の社会保険について』

2017/05/24

社会保険は、「法人」となっている場合は加入しなければならないこととなっています。 「宗教法人」となっているお寺も、世の中全体の要請として、社会保険への加入と保険料のお支払いに対する目がきつくなってきたということもあり、社会保険に加入していただかなければならないとなったのが、現在の状況です。 「お寺」と「社会保険」。社会保険労務士 大神令子先生の第3回目トピックスです。

『お寺様の社会保険について』 こんにちは。社会保険労務士の大神です。
今日は、お寺様の社会保険についてお話させてください。

 2年ほど前の話になりますが、中国地方で年金事務所から社会保険に入るようにという通達がありました。この通達自体は私が見てもちょっと失礼な書き方で、もう少し他の表現があるだろう…と思いましたが、今日はそのお話ではなく、社会保険という制度がどのようになっているのかをお話しいたします。

 社会保険は、大きくわけて労働保険と社会保険があります。大きい意味の社会保険と小さい意味の社会保険がありますので、少しややこしいですが、この小さい意味の社会保険の中に健康保険と厚生年金があります。
 この社会保険は、「法人」となっている場合は加入しなければならないこととなっています。多くのお寺様では「宗教法人」になっていらっしゃるのではないかと思いますが、多くの場合、これは税金対策として法人化なさっていらっしゃるのではないかと思います。実は、法人にするということは、単純に税金面だけの問題ではなく、他の問題も発生することに気を付けていただきたいと思います。その「他の問題」のうちの一つが、「法人は社会保険に加入しなければならない」という法律があることです。

 お寺様も、日本国内で活動なさっていらっしゃる以上は、俗世の法律に従っていただかざるを得ない部分があります。ただ、今までは国民の精神面を支えてくださる宗教に関連される存在として、あまり俗世の法律で縛るのも如何か?という考えで、お寺様に対して社会保険への加入を強く言ってこなかったという経緯があります。しかし、世の中全体の要請として、社会保険への加入と保険料のお支払いに対する目がきつくなってきたということもあり、お寺様にも社会保険に加入していただかなければならないとなったのが、現在の状況です。
 社会保険に加入しなければならないのは、宗教法人になっていらっしゃるお寺様ですが、その中で、もし、幼稚園などを経営していらっしゃり、そちらで私立学校共済に加入されていらっしゃる場合は、私立学校共済で健康保険と厚生年金に加入していただいていることとなりますので、その場合は国の社会保険に加入していただく必要はありません。社会保険は二重に入る必要はありません。
 しかし、そのような共済などに加入していらっしゃらず、国民健康保険と国民年金に加入されている場合は、健康保険と厚生年金に切り替えていただく必要がありますので、一度、市役所などか年金事務所の窓口、あるいは社会保険労務士にご相談ください。

もし、法人化されていないお寺様であるのなら、この問題は関係ありません。そのまま国民健康保険と国民年金に加入していただくので問題はありません。

「そうは言っても、年金なんかどうなるかわからないのだから、保険料を払いたくはない」とお考えになられるかもしれません。そのあたりのお話を、次回にさせていただきたいと思います。
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