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『時代が変わってきているために、しなければならないこと』

2017/05/17

宗教界の皆様が、長年の歴史の中で培われてきたお考えと「国が作った法律」。 「僧侶」と「労働」についてお話しいただきます。 大神社会保険労務士事務所 大神先生のトピックス第二弾です。

『時代が変わってきているために、しなければならないこと』 こんにちは。社会保険労務士の大神です。
今日は、つい最近問題となりました、お寺様での労務管理のお話をさせてください。

今回問題となったのは、補導の方が研修施設で行っていたことが「労働である」とされて、労働基準法に従って給与の支払いを命じられたということになります。

これについては、「労働」と見做して時間外労働としての給与の支払いを求めることそのものについて、果たして僧侶として正しいことなのか?という疑問を持たれる方もおいでではないかと思います。
私個人としては、宗教界にいらっしゃる皆様が、長年の歴史の中で培われてきたお考えでいらっしゃいますので、それ自体は否定したくはないと考えています。
しかし今の時代では、この考え方を受け入れられないと考えられる方が増えてきました。
もし、「時間外労働である」と主張して労働基準監督署や裁判所へ訴えられてしまうと、「残業代を支払うように」という命令が行われてしまいます。

残念ながら、仏教、あるいは宗教としての考え方は全く通じないのが「国が作った法律」なのです。

もし、この命令に従わないということになると、最悪は差し押さえなどの措置が取られることとなります。これは、お寺様にとっては非常に不名誉なことではないかと思います。このような事態は、極力避けていただく必要があるのではないかと思います(なお、同様のことはお寺様だけでなく宗教界全般に言えることだと思います)。

現実問題として、本当に修行であると言い切れる部分と、裁判所などが労働であると認定する可能性の高い部分とがあるのではないか?と思います。まずは、仏教界として、この二つの切り分けをしていただき、「労働」と見做されてしまうことについては、俗世の法律に従った対応をするということが必要になってきているのではないかと思います。

労働基準法では、週40時間、1日8時間を超える労働を禁じています。
まずは、勤務体系をこの中に収められるように工夫をしていただく必要があります。それでもどうしても時間が超えてしまう場合は、時間外労働をさせるための労使協定(「36協定」といいます)を取り結んで労働基準監督署へ提出しておく必要があります。その上で、「まとめていくら」という支払いではなく、労働時間に合った給与としての支払いをしていただく必要があります。つまり、何時から何時まで働いていたのかの把握が必要となります。

今までの伝統から考えると世知辛いことではありますが、やむを得ない時代の流れであることを御認識いただく必要があるように思います。

このことは、大寺院だけでなく町や村にある普通のお寺様でも同じことがいえます。
もし、御住職様とその御家族ではない方が、たとえ御親戚であっても御一緒にお勤めなどをなさっていらっしゃるのであれば、その方は「労働者」と見做されてしまいます。そうなると「時間外労働」という考えが発生してしまいますので、ご注意いただく必要があります。

いろいろ面倒なことが沢山あるかと思いますが、お手伝いをさせていただきますので、いつでも御相談ください。
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